「子モスラが成長したら、教えてよ。また会いに来るから。」
「はい。ありがとうございました、深愛さん、涼子さん。」
「アミとティエも元気でね。」
「………はい。」
インファント島で親モスラの死と子モスラの誕生を見届けた深愛と涼子はしののめに乗艦した。
「それではしののめ、発艦します。」
「アイアイサー。」
冗談交じりに涼子が言うと艦内はドッと笑いに包まれた。
「……良かったね、否定されなくて。」
「………うん。」
「………なんか、他にも色々とあるみたいだね?」
「………やっぱり、わかっちゃうか。涼子には。
………M計画は複数の怪獣の遺伝子を入手していたんだよ。」
「………確認できる限りではギドラやバラゴン、ラドンと言った怪獣ですね。
平和的に遺伝子を提供してくれたのはモスラだけでした。
それ以外は命がけで、遺伝子を入手したものです。」
「…………その遺伝子は今、どうなったんですか?」
「受精卵を凍結させて、研究施設に保管しています。
厳重に管理はしているのですが、何分、欲しがる人は欲しがりますからね。」
「…………まぁ、そりゃ怪獣の遺伝子を組み込んだ人間の存在が公になったら
生体兵器として使えるものね。」
「……ただ、16年前の火災で大半が焼失した。
わずかに残った受精卵は凍結させたけど、ね。」
「………ちなみにその保管場所って?」
「それは言えない。ただ、今、最も安全な場所にあるのは確か。」
「………遺伝子を除去すれば、普通の人間として過ごせるかもしれない?」
「遺伝子組み換え技術を応用すれば可能でしょうが、長期間における安全が取れてからでないと………。」
「…………色々大変なのね、防衛軍も。」
続く。
交代時間となり、満月と物吉は制服姿に着替え、芳樹達と合流した。
「メイド姿の満月ちゃん、可愛かったよ。」
「えへへ、ありがとうございます。
あ、でも。皆して変なことを言うんですよ?」
「変なこと?」
「夜のご奉仕が楽しみだね、って。」
満月の発言に芳樹達はぶふぅと吹き出しそうになって、口元を抑えた。
「……メイド服でご奉仕するってどういうことでしょうか?」
「………良いんだよ、満月ちゃんはそのままで。」
「………まったく、最近の若い子はどうしてそんなことを平気で言うのか………。」
「え?今のってどういう意味ですか?」
イマイチ理解していない澪と真琴は互いに首を傾げながら、愛歌に訊ねた。
「そうねぇ。まだ2人には早いお話よ。
ただ、お父さんとお母さんが毎夜仲良くしていることって言えばいいのかしら。」
「あ、そういえば私、弟か妹が欲しいって言ったら
ママがパパに頑張ってもらわないとー、って言っていたんですよね……。」
「そうそう、そんな感じよ。」
「こら待ちなさい。まだ小学生には早い話でしょう?」
「あや兄ィがそれを言う?」
「美穂義姉さん、夜の兄さんは怖いやら冗談半分で言っていたけど。」
「………こら待て。それはいつの話だ?」
「…………え?私、何かまずいこと言った?」
「………お嬢様はそのままでいいんですよ、そのままで。」
「………?」
続く。