「ちょっと、美穂!」
「昨日、見たわよ!」
「見たって……………綾人と一緒にレストラン入るところを?」

こてん、と首を傾げる美穂に友人達はやっぱしかー、と叫んだ。

「これでも付き合って半年は経過したんだけど…………。」
「半年も付き合っているの!?」
「というか何であの姫宮グループの長兄と付き合うことになったの?」
「プロポーズされたのよ、公演が終わった後に。
綾人の一目惚れだったみたいで。」

のほほんと惚気話をする美穂に友人達はきぃぃ、と叫ぶ。

「おじいちゃんの葬儀さえなければ舞台観に行けれたのに………!」
「いやそもそもアンタじゃ無理だってば。」
「そりゃハートを射抜くのは無理だってわかっているけどー!」

すると、美穂のスマホに着信が鳴った。
「あら、芳樹君からだわ。どうしたのかしら?」

「ちょっと浮気!?」
「違うわよ、多分、満月ちゃん絡みだと思うんだけど。」

美穂はそう言うと電話に出た。

『………あ、みほおねえさまだ。』
「はぁい、満月ちゃん。どうしたの?」
『あのね、みほおねえさまとあやとおにいさまのにがおえをかいたの。
こんど、みてもらおうとおもって。』
「まあ、そのためだけにわざわざ電話をしてくれたの?ありがとう、嬉しいわ。」


にこにこと話をした後電話を切った美穂はうふふ、と笑った。

「妹が出来たらお姉ちゃんって呼ばれるのが夢だったんだけど叶って良かったわ。
お姉様、ですって。」

「良かったじゃん、美穂。」

「ええ、良かったわ。」

続く。