日本、海鳴市。
私立聖祥大付属小学校では始業式が行われようとしていた。
「はぁ…………始業式と言っても退屈ねぇ。」
「でも半日で終わるからいいんじゃない?」
「そうだよ、それにこの後は翠屋でお茶しようよ。」
「せやね。」
「皆でお茶するの久しぶりだね。」
「ま、悪くないかもね。」
「はい、皆さん。急な話ですが、始業式の前に新しいお友達がやってきました。」
担任の唐突な話に高町なのは、フェイト・T・ハラオウン、八神はやて、アリサ・バニングス、
月村すずかの5人を含めた4年生一同は驚いた。
「え、転入生?」
「綿貫さん、どうぞ。」
「初めまして、綿貫アリスです。
親の仕事の関係で、今日急遽編入することになりました。
よろしくお願いします。」
ペコリ、と会釈をするアリスになのは達はとりあえず拍手を送ることにした。
始業式はつつがなく行われ、学校は半日で終わった。
生徒玄関で靴の履き替えをしていたなのは達にアリスは声をかけた。
「……………………あのぅ、つかぬ事をお聞きしますが。」
「何か用?」
「高町なのはさんとフェイト・T・ハラオウンさん、それに八神はやてさんで間違いないですよね?
…………その、時空管理局に勤務している魔導師の。」
「………ん?ちょっと待ちなさい。まさかアンタも?」
「私も魔導師なの。」
「…………………え、えぇええ!?」
喫茶翠屋。
「……………ああ、綿貫か。知っているよ。綿貫満月。時空管理局でも数少ない、SSS+ランク魔導師だ。」
フェイトの義兄であるクロノ・ハラオウンは、アリスの母親について知っていることを話した。
「SSS+ランクの魔導師!?」
「なんや、私よりも強いんかぁ…………。」
「いや、そう言う問題じゃなくて。」
「まぁ、確かに私のママは最強だけどね。………ってそういう話は置いといて。
私と同じ魔導師が聖祥大にいるから、仲良くしなさいってパパとママに言われたの。」
「……あ、アリス。お待たせ、待った?」
「あ、ママ!」
「わぁ、凄い綺麗な人だね。」
「初めまして。アリスの母の綿貫満月と言います。………あら、ハラオウン執務官。どうも。
ハラオウン提督はお元気かしら?」
「元気でやっていますよ。」
「………あの、すっごい失礼なことを聞くんですけど………。」
「凄くお若いですね。」
「ああ、やっぱり気になっちゃう?アリスはね、養子なのよ。」
「ふぇ!?」
「……………あ、何かすみません。変なこと聞いちゃって。」
「いいのよ。初対面の人には必ず聞かれるから。
………アリスはね、記憶転写型クローンとして生まれたの。」
「………………フェイトちゃんと同じだね。」
「…………うん。」
「…………辛い話だけど、この子もね。古代ベルカで栄えていたアーヘンという小国を治めていた
氷帝アルトリウスのクローンとして生を受けたの。」
「古代ベルカ……じゃあ、シグナム達ももしかしたら戦ったかもしれへんってことですか?」
「…………もしかしたら、そうかもしれないわね。」
続く。