「泉先輩、そんなこと言われたら困りますよ!
私だって選ばれし子供なんですから、命のやり取りだろうが何でもこーいって感じです!
そりゃ、命の奪い合いは怖いですけど………。
でも、戦わないと、人間界が危ないことになるんですよね?」
「そうですね。デジタルワールドと人間界、両方の世界が混乱と恐怖に陥ってしまいますから。」
「………ちわーす、本宮大輔、入ります!」
パソコンルームに本宮大輔、火田伊織、高石タケル、八神ヒカリの4人が入ってきた。
「………あれ?京、その人は?」
「ああ、今日転入してきた物吉美月ちゃん。選ばれし子供なんだって。」
「マジ!?」
「意外です。僕達以外にも、居たんですね。」
「どんなデジモンなの?」
「………はい。ルナモン。」
美月に抱きかかえられる形でルナモンはひょい、と会釈した。
「初めまして、ボクルナモン!よろしくね!」
「後1人、涼宮流司さんも選ばれし子供………なのかな?18歳だって言っていたし。」
「涼宮さんって、あの俳優の?」
「え?俳優?有名なの?」
「大輔君、サッカー以外にも興味持とうよ。今をときめく俳優さんよ?」
「へぇー…………。」
「流司さんとはデジタルワールドで合流することになっているから、
その時にでも紹介するわ。
……………で、私がここに来た理由についてなんだけど………。」
そういうと美月は自分が選ばれた経緯と理由を話した。
「…………七大魔王………ですか。」
「相互理解は難しいと思う。命のやり取りをするのは避けられない。
本物のデジモンを殺すことも、ありうるかもしれない。
でも基本的にはデジタルワールドに送り返したいの。
彼らには彼らの生き方があるし、ただ力の強い存在に従っているだけの生き物を粗末にしたくないのよ。
………甘ちゃんかもしれないけれど。」
「甘ちゃんでもいいと思うよ。僕とヒカリちゃんが小学2年生の頃は、命のやり取りをしていたんだから。」
「できることなら、命を奪いたくないって言う美月さんの気持ちはよくわかります。
悪いデジモンはいないって。」
「でも、七大魔王は人間界をも支配しようとしているんですよね?
それは絶対に避けないと。」
「…………ありがと。」
「では、オファニモンに会いに行きましょうか。僕達も情報共有をしたいですし、これからのことも
考えなくては。」
「………はい!!」
続く。