はなちゃんが寝ているすぐ側に、アボカドの水耕栽培の瓶がある。
根が出始めたばかり。
ぐんぐん伸びている。
その脇に、シクラメンの鉢2つ。
どちらも数本の葉がひょろひょろと伸びている。
どれも皆、命。
消えそうな命と、生まれたばかりの命。
2016年の冬、父が死んだ。
飲まず食わず、歩くことも喋ることも出来ないまま、2年も生きてくれた父。
当たり散らす人も多い中、いつも穏やかで優しくて、病院のスタッフさんにも好かれていた父。
病院を出る時、医師と夜勤の若い看護師さんがひとり、玄関の外まで見送ってくれた。
ワゴン車が出ていくまで頭を下げて見送ってくれた。
12月の日光市。真夜中。
半袖のナース服から出た白い腕が、今でも忘れられない。
命はみんな順番に燃え尽きる。
時々順番が狂う。
はなちゃんはもうすぐ死ぬ。
誰の目にも、医者の目にも明らかだった筈。
私にも夫にも、親を見送った過去がある。
分かっている。分かっている。
それでも、なにかが欲しくて病院へ行く。
話を聞く。頼る。
病院のスタッフも分かっている。
それだけの事なんだ。
命を生み出すのはとても大変なこと。
同じくらい、命を終えるのも大変なのだ。
分かっている。
分かっている。
それだけの事なんだ。
出来る限り、はなちゃんと一緒にいよう。
それだけが、私と夫に出来ることだ。
夫は今日もお店を開けました。
明日は休みです。
良い夜になりますように。
昨日、腹痛に苦しんだゆうこは午前中で仕事を早退。
帰り道にある駅のトイレに立て篭るという初体験をしました。
初めて入るトイレ。
完璧に掃除がなされ、びっくりする程キレイ。思わず自分の靴底を確認する。
家に着くと、夫が
「はなを病院に連れていく」
と言う。
うん。そうだね。夫さんが後悔しない事が大事。
ゆうこも同意して、はなをそれまで寝ていたシーツにくるんで抱っこします。
雨の中、初めて行く病院へ車を走らせます。
赤ちゃんを抱くようにして助手席に座っていると、遠い記憶が蘇ります。
なんか、夫さんの赤ちゃんを抱いているみたい(笑)
病院での診断は、やっぱりというかなんというか、重い腎不全。
薬と流動食が出ました。
注射をしてもらい帰宅します。
はなはグッタリと横になって大人しくしていました。
うちには移動用のキャリーケースがありません。
動物病院にかかる時は、全て洗濯ネットで間に合わせて来ました。
でも、今回思ったのは、キャリーがあれば夫ひとりでも病院に連れて行けるということ。
ゆうこはもかを連れて電車で帰省した事がありますが、ニャンとも鳴かず普通のバッグの中に入っていてくれました。
うむ。キャリーケース買おうか。
中古品を探してみっか。
はなは注射のせいか、そうとう疲れたのか、夜中鳴かずにグッスリ眠ってくれました。
少しでも元気を取り戻してくれるかな。
いちおう、言われたことをやってみようと思います。
なんかもう、家中が病気の獣臭い( ̄∀ ̄)
換気をよくして、頑張ります。