管理不全に陥り、老朽化する一方のマンションが社会問題になってきた。空き室だらけで荒れ果てた「スラムマンション」になりかねず、防災や治安面で近隣住民は不安を募らせる。国や自治体は対策に乗り出すが、決め手は見つからず、スラムマンション予備軍は増えるばかりだ。

ごみ置き場には無断で捨てられたスーツケースや布団。外壁にはひび割れが走る。東京都豊島区。
池袋駅から徒歩15分、築44年の5階建て分譲マンションだ。

20平方メートルほどの部屋が20戸。中国や東南アジアなどの外国人が住人の半数以上を占める。
部屋からごみを投げ捨てる姿も目につく。数年前には外壁伝いの共用配管が壊れ、半年間も汚水があふれ続けたという。

近所の女性(72)は「注意しても、無視されたりすごまれたりする。地震が起きたら壊れそうで怖い」と顔をしかめる。

苦情を言おうにも、窓口になる管理組合がない。マンション管理を引き受けていた施工業者は約30年前に倒産し、各部屋は転売が繰り返されて所有者は全国に散らばっている。
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