感染者数と人流、関連低く 大阪公大チーム分析

2022/09/26 09:15新型コロナ

感染者数と人流、関連低く 大阪公大チーム分析

 新型コロナウイルス感染者数の増減と人流変化の関連は低いとの分析結果を、大阪公立大の加登遼助教(都市計画)らのチームが25日までにまとめた。チームは今後のコロナ対策について、人の移動を一律に抑制するのではなく「社会・経済活動を維持しながらコロナとの共存を可能にする新たなライフスタイルを探求する必要がある」と指摘している。

 チームは2020年4月から21年7月まで大阪市のベッドタウン、大阪府茨木市に住む約1万2千人を対象に、移動距離と市の感染者数の関連を分析。住民の移動距離はスマートフォンの衛星利用測位システム(GPS)データを活用した。

 この間、数回の感染拡大期があったが、住民一人一人の総移動距離の平均は20年春を除いて大きな変動はなく、移動距離と感染者数の間で明確な関連が認められなかった。マスク着用や部屋の換気といった別の要因が感染者数に影響を与えた可能性があるという。

 また20年3月から21年9月にかけ、大阪、京都、兵庫3府県で「食料品店・薬局」「公園」「職場」「住宅地」「小売店」「公共交通機関」の6タイプの場所における人流変化と感染者数の関連を調べたが、いずれも大きな関連は確認されなかった。