【新型コロナ】神奈川県、ウィズコロナへ出口戦略を模索 県民理解が鍵

9/11(日) 10:41配信
カナロコ by 神奈川新聞

 神奈川県が新型コロナウイルス対応の「出口戦略」を模索している。重症化リスクが低いとされるオミクロン株を前提に、コロナ向けに整備した医療や行政サービスの段階的な縮小・廃止を想定。ほかの疾患の患者と同様に、コロナ感染者を症状の程度に応じて通常の医療体制で対応できるようにする。コロナとの共存を図る「ウィズコロナ」に向けた取り組みと言えるが、県民の理解をどう得ていくかが鍵となりそうだ。

 「将来はコロナを普通の疾患の一つとして扱っていきたい」

 8月12日、県内の医療・行政関係者らでつくる県感染症対策協議会で、県の阿南英明・医療危機対策統括官はこう切り出した。

 新型コロナは感染症法に基づき、入院勧告や外出自粛の要請など、さまざまな特別な措置が行われてきた。一方、2年半前の発生当初は患者全員に原則入院を求めてきたが、現在は軽症者らについては自宅や宿泊施設での療養が定着。療養期間も段階的に短縮されるなど、状況によって対応が変わってきている。

 県はこの日の協議会で、自宅療養者への支援や宿泊療養施設の運営といった県が関わる約20項目の医療・行政サービスについて、段階的に縮小・廃止する案を提示した。通常の医療体制の中でコロナも対応できるようにする県の「出口戦略」の青写真だ。実現には法的位置付けの変更などが必要な項目もあるため、県は対応の見直しは国の方針や関係者の意見も踏まえて決めるとしている。