リレー小説「かみさまふぉーす」の設定で
子豚さん宅のリオンちゃんとアレスのSSを…
もうすぐ十二月、十二月といえばクリスマス!
ということで、クリスマスネタとなっております。
甘ったるい空気になりそうです(笑)
そんな仕上がりですが、OKという方は追記からどうぞー!
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主に創作について語ります。 バトンをやったり、 親馬鹿トークを繰り広げたりします。 苦手な方は、どうぞ戻ってやってくださいませ! (私のサイト「Pure Rain Drop」) → http://id35.fm-p.jp/198/guardian727/
リレー小説「かみさまふぉーす」の設定で
子豚さん宅のリオンちゃんとアレスのSSを…
もうすぐ十二月、十二月といえばクリスマス!
ということで、クリスマスネタとなっております。
甘ったるい空気になりそうです(笑)
そんな仕上がりですが、OKという方は追記からどうぞー!
―― 季節は、十二月。
何処となく甘い雰囲気が立ち込める、二十四日のこと。
リオンは図書室の蔵書整理をしていた。
冬休みでも受験生のために図書館は開館している。
そのため、図書委員は仕事があるのだ。
しかし、その仕事はさして苦にならなかった。
と、言うのも……
『仕事、終わったらメール寄越せ』
『え?』
『い、いいな!』
『え?あ……はい』
「ふふっ」
此処に来る前、"偶然"居合わせたアレスにそう言われていたのだ。
本当は、リオンだって気づいている。
"偶然"アレスが図書館の前になんか、居るはずがない。
どちらかといえば勉強嫌い、の方に部類される彼なのだ。
およそ……今日、という日に出かける約束をしたいと思ったものの、
照れ屋な彼のこと、あんなぶっきら棒な伝え方しかできなかったと見える。
「アレスさんらしいなぁ……」
思い出して、小さく笑う。
そして、残りの本の片づけをするべく、リオンは一生懸命働いた。
***
―― 夕方。
そして、何とか蔵書整理を終え、アレスの言葉通りメールを送る。
すると"駅前に向かって歩いて来い"とのこと。
どういうことだろう?
学校に居たのに、なぜ駅前?
疑問は尽きないが、いってみないことには始まらない。
リオンは彼の言葉通り、駅に向かって歩き出した。
その道々には、仲良さそうに歩く、カップルたち。
所々に設置されたスピーカーからはジングルベルが聞こえてくる。
あぁ、クリスマスなんだな、と思う。
リオンははぁっと息を吐いた。
手袋もマフラーもしているのだが、やはり寒いものは寒い。
日暮れの風の冷たさに身を震わせる。
白い呼気が空に昇って消えた。
「ねぇ、君今一人?」
不意に、知らない声が聞こえた。
びくり、として立ち止まると、横から愛想笑いを浮かべた男が近づいてくる。
恐らく、自分と同い年か、少し年上くらいだろう。
「皆カップルじゃん?俺、この前彼女に振られちゃってさぁ……」
ぺらぺらと話しながら、男はリオンに近づく。
リオンはといえば、怯えて声を出すことが出来ない。
「あ、あの……」
「君も一人ならさぁ、俺に付き合ってくれない?」
「わ、私、待ってる人がいるので……」
「え?でも今一人だったでしょ?」
行こうよと笑う男。
そのしつこさに、泣き出しそうになった。
その時。
「いい度胸してんな、お前」
不機嫌そうな、聞きなれた声がした。
そちらに視線をやれば、不機嫌ですという顔をした彼の姿。
「アレスさん!」
「リオン、お前とろ過ぎ。こんな雑魚い奴にナンパされてんじゃねぇよ」
"雑魚"という言葉にいらっと来たのか、男はアレスを睨み付ける。
「何だよテメェ」
「なにって……この話の流れでわからねぇの?馬鹿か?アホか?」
ハッと鼻で笑ってからアレスは男の腕をひねり上げる。
悲鳴じみた声が漏れた。
アレスは容赦なくそれをひねり上げ、低い声で凄む。
「とっとと失せろ。そいつは俺のだ」
アレスの迫力に負けて、男は逃げ出した。
全く、と呟いて頭をかくと、アレスはリオンに視線を戻した。
あー……と決まり悪そうに声を漏らし、謝る。
「悪い、遅くなって」
「いえ……大丈夫です。ありがとう、ございました」
リオンの反応にアレスははにかんだ笑みを浮かべる。
リオンもつられたように微笑んだ。
「それで……何で、呼んだんですか?」
「……言わなきゃ、わかんねぇか」
顔を真っ赤にするアレス。
リオンは幾度か瞬きをしてから、ゆっくりと首を振った。
彼女の頬も、若干赤い。
「……学校まで迎えに行くつもりだったけど、こっちに買い物来たら、帰るの遅くなった」
「あ、なるほど……」
「で、俺が迎えに行くまで学校で待たせても良かったけど、その……」
口ごもるアレスに、リオンは首を傾げる。
"その?"と言葉の続きを促せば、アレスはぼそり、とその言葉を吐いた。
「お前に、早く会いたかったんだ」
「!」
「……お前もこっちに向かってきて、俺もお前迎えに行く方に歩けば、早く会えるだろ」
ぼそり、と言ってアレスはそっぽを向く。
耳まで真っ赤になった愛しい恋人に、リオンは抱きついた。
「うわ?!」
「有難うございます、アレスさん」
「……おう」
それを抱きしめ返して、アレスは笑う。
"暴君"などと呼ばれていた彼とは、似ても似つかぬ優しい笑顔。
暫しそうしていたが、アレスは"あ"と声を漏らしてリオンから離れた。
そして、鞄の中から、小さな袋を取り出す。
赤い袋に緑のリボン。クリスマスカラーのラッピングを施されたそれを、リオンに差し出す。
「た、大したもんじゃねぇけど……お前、そういうの好きだろ。
バカ女に、よくつけられてるし……っ」
「有難うございます。あけても、いいですか?」
「あぁ」
リオンはゆっくりとリボンを解く。
中に入っていたのは、淡い桃色の髪飾りだった。
レースに縁どられたそれは、とてもかわいらしい。
彼、アレスが女の子や他のカップルたちに紛れてこれを選んでいる姿を想像すると、
何だか可笑しかった。
それと同時に……とても、嬉しかった。
「わぁ……可愛いです!ありがとうございます、アレスさん!」
リオンが嬉しそうに言うと、アレスはほっとした顔をする。
「そ、そっか!なら、よかった……!じゃあ、行こうぜ」
「はい!」
差し出されたアレスの手を握る。
それと同時に周りのイルミネーションが点灯した。
二人から感嘆の声が漏れる。
「おぉ、綺麗だな」
「綺麗ですね……」
「……リオン」
「はい」
アレスはリオンをちらり、とみる。リオンもアレスを見つめ返した。
「……メリクリ」
ぼそり、と呟く声がすぐ傍で聞こえたかと思うと同時に、唇にあたる柔らかい感触。
リオンは顔を真っ赤にしつつ、幸福そうに笑って"メリークリスマス"と返した。
―― 聖夜は愛しい君と一緒に ――
(正式には聖夜前夜(クリスマス・イヴ)
でも、明日も君と一緒に過ごせたら、なんて)
性 別 | 女性 |
年 齢 | 29 |
誕生日 | 7月27日 |
地 域 | 静岡県 |
系 統 | おとなしめ系 |
職 業 | サービス |
血液型 | AB型 |