▼ 嫉妬



背中に肌触りの良いシーツを感じる。カラ松と一緒に買いに行って、二人で選んだものだ。肘だけで後退してみたものの、すぐに壁際に追い詰められた。

「ダメじゃないか、ハニー?」

笑ってるのに、笑ってない。

「…カラ松」
絞り出したような声は震えていて、それに気づいたカラ松が優しくキスを落とす。髪、目尻、頬、唇。名残惜しむようにやわやわと食んだ後に下りて、首筋に。数回のリップ音の後にピリッと感じた痛みに、思わず短く声を上げた。

「オレのものだろう?」

ギラギラした瞳に射抜かれて言葉を飲む。肯定も否定も無いまま、まるで息もつかせないような深いキスを送られる。

「カラ松…っ」

合間に名前を呼ぶと、熱い視線が交わる。瞳には私が映っていて、ひどく扇情的な顔をしているのは、彼か、私か、分からなくなった。 








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