ログイン |
【2月4日 AFP】米国防総省が同国の本土上空に中国の「偵察気球」が飛来したと発表したことを受け、アントニー・ブリンケン(Antony Blinken)米国務長官は3日、5日から2日間の日程で予定していた中国訪問を延期した。
ブリンケン氏の訪問は両国間の緊張緩和が目的で、実現すれば米国務長官の訪中としては2018年10月以来となるはずだった。
中国政府は、民間の飛行船が風に流されたと説明し、遺憾を表明する異例の声明を出した。だが米政府高官は記者団に対し、「中国による遺憾の声明には留意するが、われわれの領空でのこの気球の存在はわが国の主権と国際法に対する明らかな侵害であり、容認できない」と批判。ブリンケン氏の訪中は、今後「条件が整えば」実施する予定だとした。(c)AFP
【北京=三塚聖平】中国外務省は3日夜、米国本土の上空で中国のものとみられる偵察気球が見つかったことについて、中国から飛来したものだと認めた上で、「民間に属するもので、気象などの科学研究に使うものだった」と釈明する報道官談話を発表した。同談話は「不可抗力で米国に誤って入った」として「遺憾」の意を表明した。
中国外務省は同談話で「予定していた航路をひどく逸脱した」と説明。米側に対し「引き続き米側と意思疎通を保ち、不可抗力によって起きた今回の突発的な状況について適切に処理する」と訴えた。
ブリンケン米国務長官が近い時期に中国訪問を予定しており、協議に影響を与えたくない思惑がにじんでいる。